音会/OTOKAI の仕組み

音楽で「考え・感じ・つながる」

音会 / OTOKAIは、集団での活動を通じて認知・気分・社会性を同時に刺激する認知刺激療法(Cognitive Stimulation Therapy:CST)の理論枠組みを基盤としつつ、そこに個人化された音楽選択と創作プロセスを統合した、複合的な非薬物的心理社会的介入プログラムである。

本プログラムでは、まず視覚刺激を起点として個人の主観的連想を喚起し、それを言語化する過程を通じて内省と意味づけを促す。続いて、そのイメージに基づき参加者自身が音楽を探索・試聴し、最も合致すると感じる楽曲を選択する。この過程は、能動的聴取と意思決定を伴う認知刺激であると同時に、個人の自伝的記憶や自己同一性に関連する音楽併用回想(music-assisted reminiscence)の要素を含む。

選択した音楽について、その理由や想起されたイメージを俳句やポエムなどの自由な言語表現として創作することで、体験は表現的筆記を通じて再構成され、情動処理と意味づけが深められる。ここまでの個別プロセスにより、参加者は「刺激―感情―記憶―価値」を統合した個人作品を完成させる。

完成した作品はグループセッションにおいて共有され、参加者自身による説明、音楽の共同聴取、講師および仲間からのフィードバックを通じて、ナラティブの社会化と相互理解が促進される。この集団フェーズは、CSTが重視する社会的相互作用、言語活動、情動的関与を強く含み、ピアサポートや観察学習、集団凝集性といった心理社会的要因が介入効果を媒介する。

以上のように音会は、

  1. 個人レベルでの認知刺激・回想・意味づけと、
  2. 集団レベルでの共有・相互フィードバック・社会的参加

を段階的かつ構造化して結合した点に特徴がある。

その結果、従来のCSTや音楽介入を補完・拡張する形で、参加者の主観的体験と創造性を中心に据えた新しい心理社会的介入モデルを提示するものである。

音楽は、認知・情動・記憶・社会性を同時に動員する高次の複雑系刺激である。本プログラムが多領域にまたがる介入要素を統合できるのは、音楽を中心的媒介として据えることで、個人の意味生成と集団的相互作用を一貫した構造の中で組み立てているためである。

音会 / OTOKAI の流れと、含まれる専門的要素

No. 音会/OTOKAIの流れ 介入フェーズ プロセス段階
1 課題(刺激)を見る 【個別フェーズ】
一人で作品を作る過程

個人の記憶・感情・価値(自己物語)を、音楽と文章で”外在化された作品”に変換する
刺激提示
↓
連想と言語化
2 刺激からイメージしたこと、感じたことを言語化する
3 音楽を検索する 探索
↓
能動的聴取
↓
選好に基づく選択
4 イメージに合う音楽を聞いていく
5 自分のイメージに合う音楽を1曲選ぶ
6 どうしてそれを選んだのか考えて文章(俳句やボエムなど自由)を作成する 意味づけと言語作品化
7 刺激と音楽・文章がイメージ通りにできたか確認し作品を作る 統合と自己評価
↓
提出
8 作品を提出する
9 レッスンに参加する 【集団フェーズ】
グループレッスンの過程

個別の意味づけを、集団の相互作用で増幅・再構成し、社会的つながりと自己効力感を強化する
参加
10 自分の作品についてなぜその曲を選んだか発表する 自己作品の発表
↓
全員で聴取
11 みんなで自分が選んだ音楽を聞く
12 先生から講評をもらう 講評
13 なかまからの感想をもらう 仲間の感想
↓
応答
14 それに対して感想を言う
15 他の人の作品について発表を聞く 他者作品の聴取・傾聴
16 みんなで音楽を聞く
17 なかまの作品の先生の講評を聞く
18 感想を話す 感想を話す

※本ページの内容は、代表の責任のもと、音会/OTOKAIの設計思想としてまとめたものです。